②「ゴアテックス」について考えてみた

「山歩き-ゴアテックスについて考えてみた」

  • 登山靴について考えてみた”のページにて、「登山靴にはゴアテックスは必ずしも必要ではない」と書きました。まあ、お金に余裕があるのであれば、ゴアテックスの選択肢のある道具は、全てゴアテックス使用品にすると思います。山登りは自然相手の趣味であり、急な天候悪化等に対し、機能的に優れた道具で身を固めておくことは、大事なことなので。
  • でも、そこまでの余裕が無い身の上… 取捨選択が必要です。何にお金をかけるか? ゴアテックスを使った道具は何を選ぶのか? 考えなくてはなりません。で結局、私が今持っているゴアテックス製品は、“シュラフカバー”のみ…(なぜシュラフカバーなのか? は後ほど説明します) では、1つずつ考えてみましょう。

「そもそもゴアテックスとは?」

  • ゴアテックスについては、私が説明するよりも、きちんと説明されているサイトを見た方が分かりやすいです。まあ、“防水透湿”性能を持つ、優れた生地で、1976年から、アウトドア製品に使用されている、結構歴史のあるものです。
  • 現在、防水透湿機能を持つ生地は、各アウトドアブランドオリジナルのものが幾つもあるので、結構な種類があります。ただ、未だにゴアテックスを超える機能を有する生地は無いようで、その優秀さが窺われますね。
  • では、なぜゴアテックス? なぜ透湿性? なぜ登山道具とは切っても切り離せない? これは蒸れ防止ー発汗した水分を、いかに逃がすか? という話になります。最も分かりやすい例は、レインコート(雨かっぱ)ですので、次にレインコートと透湿性、ゴアテックスについて経験談を話します。

「レインコート(雨かっぱ)について」

  • 私はゴアテックスのレインコートは持ったことがありません。一緒に山登りをしていた後輩には、積極的に勧めましたが、当の本人は持ってない… だって高価だから…
  • 私が山歩き、登山を始めたのは就職してからですが、雨カッパについては、学生の頃から愛用していました。まあ日常生活では、雨カッパを使用する人の方が少数派ですが、私はバイクに乗っていたので、雨カッパは必需品だったのです。で、雨カッパは消耗品です、使用に伴い破れる、汚れる… 学生の頃だけでも、3着ほど使っていました。だから私の心の中にある、「消耗品(雨カッパ)に、そんなに投資できない…」 という価値観がどうしても拭えず、今に至る。
  • さて、登山関係の本で、ゴアテックスの透湿性を示すエピソードとして、「濡れた着衣の上にゴアテックスのレインコートを着て、体力を温存させながらゆっくり歩くと、雨の中でも着衣を乾かすことも可能」的な記述がありましたが、これ、私の経験からは、まず無い! まあ作者はそうなんだろうと思いますが、多くの人には当てはまらないと思います。だって、特に上り道なんか、Tシャツ1枚でも汗だく、これ、歩き方で何とかなるものではありません。その上にゴアテックスのレインコート着て、下着が乾くなんて… 少なくとも凡人の私には無理な話。
  • 私が山登りを始めて最初に購入したのは、透湿性4,000g/m2/24hrsの雨カッパでした。ゴアテックスの透湿性は、13,500g/m2/24hrsなので、かなり劣りますが、それでも最初に買った機能性素材を用いた雨カッパ! 結構大事に使った記憶があります。で、現在は透湿性8,000g/m2/24hrsの生地を用いた雨カッパを登山用に使っています。
  • 雨カッパは雨具でけでなく、防寒着としても重宝します。北アルプスの夏山登山に4回ほど出かけましたが、テント泊だと結構な荷物になるので、極力不要なものは持参しません。なので雨カッパはテント生活中、防寒着としても使います。夏とはいえ、標高3,000m近い北アルプスでは、気温が下がり防寒着(雨カッパ)は必需品です。テント張って食事準備して寝るまでの間は、運動はしないのですが、人間、安静時でも汗をかきます。ふつうの雨カッパだと、この汗で蒸れます。私は透湿性8,000g/m2/24hrsの雨カッパでしたが、やはり蒸れました。後輩のはゴアテックスにて、さほどの蒸れは感じていないようでした。もちろん平常時の発汗量には個人差があるので、ただの一例ですが。
  • 経験的に、運動中(歩行中)の雨カッパの着用の場合、ゴアテックスの透湿性の恩恵は、あまり無いと考えています。他方、安静時、防寒着としてのゴアテックスの効果、蒸れを防ぐ機能は重要です。仮に道迷い等でビバーグを余儀なくされた場合、汗蒸れを抑えることで体温低下を防ぐことが出来ます。つまり、普段の運動中においては、ゴアテックスの高機能はさほどの恩恵をもたらしませんが、非常時において、重要な役割を果たしてくれます。いざという時のため、ゴアテックスの雨カッパを持っておくことは安心材料になると思います。

「登山靴・スパッツについて」

  • 登山靴について、ゴアテックスを使用した製品は必ずしも必要でないとは、登山靴のページに記載しました。
  • 同様に、スパッツについても、ゴアテックスである必要性はさほどないだろうと考えています。スパッツも足元に近い所で着用するので、結構破れたり汚れたりします。またゴムが伸びます。山登りにおいてはスパッツは多用しますので、また何故か無くすこともあります(使って外して、汚れたからリュックに入れずに引っ掛けていたのが落ちた等)。スパッツはロングスパッツでも、体を覆う面積は少ないため、防水性があれば、ゴアテックスほどの透湿性は、無くても大丈夫だろうと思います。
  • スパッツを購入される場合は、ショートよりもロングスパッツ(ライトスパッツ)の方がお勧めです。山歩きでは、ズボンの裾の部分が汚れることが多く、ロングスパッツを着用している場合、これを防ぐことが出来ます。
  • ちなみに、雨が降り雨カッパとスパッツを着用する場合、雨カッパのズボンは、スパッツの上です。これ、逆にして雨カッパのズボンを下にすると、雨カッパを水が伝わり、靴の中が濡れるのが早まりますのでご注意を。
ライトスパッツ(モンベルHP)

「シュラフカバー」

  • 学生の頃、アウトドア好きの先輩が、「お金が無くてもシュラフカバーだけはゴアテックスにしろ」と力説していました。理由は覚えていないのですが… で、私もシュラフカバーだけゴアテックスです(モンベル)。
  • 安いシュラフカバーは、ナイロン生地と思われ、通気性があるので、寝ている間に蒸れるということは無いのですが、雨等でテント内の地面が濡れている場合、あるいはテント泊の場合、テント生地自体には防水性は無いので、生地に触れている部分は、濡れます。ゴアテックスには、高い耐水性能があるため、シュラフが濡れるのを防いでくれます。
  • 着衣が少々濡れても、運動中は我慢して着ることはできますが、シュラフが濡れると、シュラフは安静時(というか就寝中に)に使用するため、まあ最悪ですね。ゴアテックスのシュラフカバーは、このリスクを軽減してくれます。
  • だから先輩の言っていた「お金が無くてもシュラフカバーだけはゴアテックス」というのは、理にかなった意見だと思います。テント泊をされる方は、ゴアテックスのシュラフカバーは必需品ですよ。
  • (この記事を書いていて、モンベルオンラインショップのサイトを見たのですが… ゴアテックス素材のシュラフカバーが見当たらない… 無くなったの?)

「小物類(帽子・手袋)」

  • 私、自分の持っているゴアテックス登山用品は、シュラフカバーだけだと思っていたのですが、この記事書いていて、ほかにレインハットと手袋がゴアテックスだったのを思い出しました… 大変失礼致しました。
  • 帽子の効果は、山登りの場合、特に雨の日にあると思います。帽子があると、雨粒が直接目に入らず、視界が確保でき、雨の日こそ、帽子はお勧めです。特にハットの場合は折りたためるので、ザックに入れておいてもかさばりません。北アルプスの夏山山行では、雨にたたられた日がありましたが、レインハットは重宝しました。
  • このレインハットがゴアテックスである必要性は? う~ん、分からん! 透湿性で言えば、メッシュ生地の帽子の方が当たり前に快適だし、蒸れるも何も、雨の場合、それなりに濡れてるし… でもゴアテックスの優れている所は、透湿性に加え耐水性も極めて高い所にあります。それなりにレインハットとしては役立っているのかな。でも、このレインハット自体を気に入っているので、次も同じゴアテックスのものを買います。ちなみにモンベル製です。
  • 手袋については、私の持っている手袋は、柔らかい革製で手の甲の所が布地となっています。手袋は、どこにゴアテックスが使ってあるの? おそらくこの商品の場合には、手の甲の布地の部分だと思います。革自体は多分人工皮革ではないかと思います。この手袋がゴアテックスである必要性は? う~ん、これも分からん! 
  • 革について調べましたが、思っていた通り吸湿、透湿性に優れる素材となっています。なので、革製の場合には、一部がゴアテックスでなくても、その必要性は低いのではないかと考えています。
  • 他方、登山、アウトドアにおいては手袋は必需品です。夏山でも気温が下がった場合、手先が冷えることがあり、防寒目的でも必要だし、手袋は結構重宝します。で、雨等で濡れることも多く、アウトドア用のものは、この辺のことが想定されていると思われ、濡れても乾いた後に革が硬くなりません。なので、手袋は少々高価でもアウトドア用のものを買われることをお勧めします。
レインハット(モンベルHPより)

「いろんな透湿性素材」

  • 防水・透湿性素材の代表がゴアテックスですが、ほかにも色んな機能性素材があります。国内メーカーにて例を挙げると、
  • ①東レ エントラント  ②モンベル ドライテック  ③ミズノ ベルグテック  ④ ワークマン イージス
  • モンベルやミズノのレインウエアはアウトドアショップや通販でしか買えません。ワークマンはワークマン専売。で、実は東レのエントラントを使ったレインウエアは、DIYショップでも売られています。
  • この東レのエントラント、ゴアテックスには劣りますが、それなりの機能を有しています。耐水圧 10,000mm、透湿性10,000g/m2/24hrsという性能。ゴアテックスと比べると耐水圧が低い数値ですが、数値上問題無く、結構な透湿性数値を有しています。私も日常使用している雨カッパ(自転車通勤用)がエントラントを使ったもので、DIYショップでは、5千円~6千円で購入できます。十分アウトドアでも使用できて、個人的にはお勧めです。

「お手入れが大事(結局のところ)」

  • ゴアテックスを始めとした、透湿性を有する耐水性生地について、特にレインコート(雨カッパ)は、表面の撥水性が重要です。撥水性については使用に伴い劣化しますので、日ごろの手入れが重要です。この辺も結構、資料等を目にしますのでご存じかと思います。
  • 透湿性生地の撥水性が無くなると、表面を水分が覆う状態になるので、透湿性能が下がるとのこと。まあこれを実感したことは無いのですが、それより、撥水性が無くなると、そのままじわーっと、雨が染み込んでくるような気がします。なので、表面の水はじき力が衰えたら、防水スプレーでお手入れしましょう。
  • この防水スプレー、これも“肺に吸い込むと呼吸困難となり危険”とは常識ですが、防水スプレーを使用する際は、屋外で使用してください。その際、マスクを着用されておくことをお勧め致します。