①「登山靴」について考えてみた

  • 「登山初心者の方には、どういう靴がお勧め?」 他のサイトにもたくさん説明してありますが、足首まで覆う軽登山靴、革靴でないものがお勧めです(ありきたりですが…)。
  • ただ、運動できる靴やスニーカーがあるのであれば、まずはその靴で、近所の里山に出かけてみては如何でしょう? 仕事で里山に入る方も結構見かけますが、登山靴を履いている方は少ないような…(ゴム長靴で歩く人も結構見かけます) 慣れもありますが、まずは履きなれた靴で歩いてみてください。その上で、じっくり登山靴を選んでみては?
  • 選ぶキーワードを上げるとすれば、“足首をホールドする靴(ミッドカットかハイカット)”、“剛性の高い靴を(メーカー品が無難)”、“サイズで迷ったら大きめの靴を(フィット感は大事)”、“試着して買う”、“丸紐より平紐”、“ゴアテックスは必ず必要ではない” この辺でしょうか? あくまでも私の経験からのキーワードですが、以下理由について書いてみます(少々長いですが…)。
(いらすとや フリー素材)

1. 足首をホールドする靴(ミッドカットかハイカット)

  • このブログを見て頂いた方は、山登り、山歩きに興味がある方だと思います。なので、近所の里山には登られたことはあるのでは? その時は登山靴ではなかったのでは?
  • 私は就職して最初の勤務地が大阪市内でした。それまで特に山登りを趣味としていたわけでもなく、時間を持て余していたので、近郊登山の本を買い、後輩と二人で、山登りを始めました。最初に履いていたのは、靴流通センターで買って普段履きしていた普通の靴。もちろんローカットで、アッパーが皮っぽい(合皮だな)、靴底が少しだけビブラムっぽい、アウトドア風の普通の靴(安っすいヤツやん!)。これで幾つも近郊登山に出かけました。当時は特に不便も感じず、まあ良く山道で滑った記憶はあります。
  • そのころは未だ初心者で、道具も何も持ってなく、そこにあったリュック担いで、弁当持参で登っていただけでした。ただ、漠然と“キャラバンシューズ”にあこがれがありました。大学の頃、先輩が持っていた靴が、無骨でかっこいいなあと思っていましたので。
  • で、山登りに使っていた靴が破れたので、ようやく登山靴を買おうかと、大阪市内の登山用品店に行って、あこがれの“キャラバンシューズ”を買いました。もう25年以上も前の話ですが、その頃には、デザイン的には今のものとさほど変わらない靴がたくさんありました。でも、あこがれの“キャラバンシューズ”は、紺色のモノトーンで、アッパーは何となくビニールっぽい、あれです。キャラバンの中では安価だったこともあり、迷わず、あこがれの靴を買いました。
  • このキャラバンシューズ”、先輩のは土踏まずの所に、金具が入っていたのですが、私のは見た目は同じですが、金具はありませんでした。まあ、そこはあまり重要ではないのですが、あの金具がそれっぽいとあこがれていたので…
  • 実際に履いてみたキャラバンシューズは、とにかく靴底が硬い! 一般道では足が痛い。でも、その靴底が硬いおかげで、山道のとがった石を踏んでも、まったく痛くない。この安心感に妙に納得した次第。また、足首までホールドすることが、こんなに安定感を生むのかと、もうそれを知ったことがうれしかった記憶があります。登山は登山靴ということに、妙に納得した、お気に入りの靴でした。
  • 履き続けたオーソドックスなキャラバンシューズは、アッパーが破れたので買い換えましたが、初めての登山靴で思いで深く、復刻版とか出たら欲しいなあ!
  • というわけで、足首を覆うミッドカット、ハイカットの方が、絶大なる安心感と安定感が得られます。捻挫予防にもなり、安心して歩けることが、結果歩きやすさにつながります。ふつうにゆっくり山歩きをするのであれば、足首まで覆う靴を選んで下さい。
  • (ローカットのメリットは、足首の自由度が高い=走ることが出来るということです。トレイルランニング まで行かなくても、比較的軽装備で、少し走る事も取り入れたいという方は、ローカットモデルも選択肢に入ります。)
「懐かしのキャラバンシューズ」

2. 剛性の高い靴を(メーカー品が無難)

  • キャラバンシューズの次に購入したのは、ミズノの登山靴(Berg)です。これは今でもあります(20年もっています)。靴底も名盤も擦れてしまい、型番もわかりませんが、長年一緒に歩いた相棒です。何よりフィットしていて、重くなく、且つ剛性はしっかりしていて安心感もありました。
  • さて、ミズノの靴を愛用しながら、2足目として安い靴を買ってみたのがGTホーキンスのトレッキングシューズ。これ、ホールド感が無く、登山道で良く滑りました。結局、靴底も柔らかく、車でいうところのボディ剛性が低いので、しっかりと地面に喰い込まない、だから滑る! 登山靴は靴底が硬く、その硬さがアッパーに連携されていることで剛性を発揮し、地面をホールドするようです。だから、見た目トレッキングシューズでも、剛性が無い靴は、ホールド感がなく、地面を捉えられないため、滑ります。普段履きには何の問題もない靴でしょうが、山登りにはあまり向かないようでした。この靴は後輩に1,000円で譲りましたが、この靴のおかげで、登山靴に必要な条件が剛性であることは理解できました。
  • “剛性の高い靴”と言っても、数字で表示されているわけでもなく、選ぶ基準としてはあいまいですが、まあ一般的に売られているメーカー品の靴であれば大丈夫ではないかと思います。お店での試着の際、しっかりと靴紐を締めた上で、可能な限り店の中を歩き、「しっかり靴紐が締まった感があるか?」確かめてください。剛性の悪い靴は、靴紐をしっかり締めても、靴底やアッパーがしっかりしていないので、何となく安定しない感じがします。分かりにくい感覚と思いますので、あくまでも参考で。
「GT HAWKINS TREKING-SHOES」
「長年愛用のミズノ Berg」

3.サイズで迷ったら大きめの靴を

  • その後、アウトドア量販店に置いてあった登山靴を、値段にひかれて買いました(確か5千円だった)。メーカー名も良く知らない、もうその1足しかなくサイズが選べず、「少し小さいかも」と思いましたが、買ってしまいました。この靴、安物の割には優れもので、性能的には“当たり!”でしたが…少々小さい。昔の登山の本には「靴に足を合わせる」とか書いてあり、そのノリでしばらく履きましたが… 登山靴は他の靴と異なり(後述)、アッパーがガッチリしているので、いくら履いても、ほとんど伸びません。つまり、がんばってもフィットさせることはできない。なので、残念ながら手放しました。安物買いの銭失い サイズは大事だと、つくづく思った次第… 登山靴のサイズに迷った時は、大きめの方を選んで下さい。
  • 登山靴は通常、厚手の靴下を1枚履いて使います。2枚重ねにすることは、ほとんど無いのですが、もし少し雪が積もっているくらいの低山登山をされる場合等、防寒のため2枚重ねる場合があります。また、どうしても少し大きい場合には、ソールを厚手のものに変える、1枚増やすとかの対応は可能です。フィットした靴はベストですが、かならずそういう靴に出会えるとは限らず、なので迷ったら大きめの方を選びましょう。
  • ちなみに、最近新しい靴を買いました(キャラバン GK83)。同梱で、「サイズ調整用(ハーフインソール)」というのが入っていました。少し大きめの靴は、こういうので調整も可能です。また若干厚みの厚いソールに変える手もあります。若干大きい靴は、ソールにて調整可能です。
「ハーフインソール」

4.試着して買う(通販なら返品・交換が可能な所で)

  • ずっと使っていたミズノの靴底がだいぶすり減ったため、購入したのがメレルの軽登山靴です(革製)。これは通販で買いましたが、サイズはOKでした。軽登山靴なので革製ですが足首も曲がり、履きやすい靴ですが、どちらかと言えば、やはり布製の靴の方が軽く、個人的には使いやすいかなと思いました。革製の方がどうしても若干重くなるようです。
  • ただ、このメレルの靴、ビブラムソールだしデザインも良く、外観はとても気に入っていました。
  • 通販で買った理由は、“値段に釣られての衝動買い” ですね… 悪くない靴ですが、しっくり感は通販では選べないので、やっぱり登山靴は試着して選ぶのがベストです。
  • もし通販で買われるのであれば、返品・交換が可能な所で購入されることをお勧めします。

5.(靴紐)丸紐より平紐

  • これはあくまでも個人的なお勧めなのかも知れませんが… 登山靴の靴紐には丸紐と平紐の2種類があります。で、絶対に平紐がお勧めです。理由はただ1つ「ほどけにくいから!」。
  • 靴紐がほどけた状態で歩くのは危険です。ほどけた方と反対の足でほどけた紐を踏んで、足が前に出ずに転倒する、ほどけた紐が木や地面にひっかかり転倒する場合があるからです。なので、ほどけたらすぐに結びなおす必要があります。
  • この靴を結びなおす作業、ハードな登山の下山途中等の場合、もうそれだけで結構おっくうになります。でも下り道で転倒するのは、より危険なので、どうしても結びなおさなければならない。だから結び目のほどける頻度が少ない方が、絶対に安全なのです。だから平紐! 平紐の方が結んだ時にも、しっかり緊結しているなあという感じがあります。
  • でも、最近はなぜか丸紐の靴の方が多くなっているようです。靴紐を通す穴や金具は、丸紐専用のものもあり、単に紐だけ交換できないものもありますので、ご留意ください。まあ、丸紐、平紐は好みの問題でもありますので、好きな方を選べばよいのですが、私のお勧めは絶対に平紐なのです。
平紐と丸紐(「そら」の日記(Livedoorブログ)より拝借)

6.(登山靴に)ゴアテックス仕様は絶対に必要 ではない

  • ゴアテックスについては、有名な素材なのでご存じの方も多いと思います。透湿性に優れた耐水性素材です。雨具を始め、ウエアや靴、スパッツ、手袋、シュラフカバーなどに多用されています。
  • で、登山靴にゴアテックスは必要か? 私は、ゴアテックス仕様で無くても良いとの意見です。ゴアテックスは登山道具に多用されていますが、ゴアテックスの御利益がさほど無いものもあるように思います。
  • もちろん、同じメーカーの同じデザインの靴で、ゴアテックス仕様とそうでない登山靴が同じ値段なら、もう迷うことなくゴアテックス仕様の方を買います。同じ値段なら、機能性が高いのを買うのは当たりまえのことですよね。
  • 登山靴は元々、ベロの所が袋状になっており、水が入りにくい構造になっています。で、布+皮でアッパーが作られている靴の場合は、縫い目がたくさんあります。水は縫い目から入り込んでくるので、レインコートの場合は、縫い目の所に水が浸入しないためのシームレステープが貼ってあります。登山靴の場合、この縫い目から水が浸入する?
  • ゴアテックス仕様はどうなのか? 調べたところ、袋状のゴアテックス生地が靴に入っていて、縫わずに接着剤などで固定されているようでした。だから、縫い目から水が浸入することは無い?
  • 後輩と数人で山登り中、雨に降られたことが何度もありますが、長時間の雨だと、靴の中は水浸しになります。で、後輩二人の靴はゴアテックス! 比較のため、私の靴との水濡れ状態を歩きながら観察したことが数回ありますが、確かに私の靴が先に濡れるようですが、しばらく後には、後輩のゴアテックスの靴の中も濡れました。なので、数少ない経験から言えることは、ゴアテックスは普通の登山靴よりは水がしみ込みにくいようだが、完全防水ではないので、いずれ水はしみるということ。まあ、靴の手入れの状態にも左右されますが…
  • 夏山の場合には、靴の中が濡れても、大事に至ることは殆ど無いので、必ずしもゴアテックス仕様は必要ないと思います。ただ、冬山や低山でも雪の積もっている山等を歩かれるのであれば、やはり防水は大事なので、少しでも性能の良いゴアテックスの登山靴を選んだ方がよいかと思います。

「登山靴について-知っているとは思いますが」

  • ポリウレタン製のミッドソールは経年劣化で剥がれます。一度、北アルプスで女性登山者の靴底が剥がれているのを見かけたことがあります。私の後輩の、ゴアテックス仕様の靴も、ミッドソールが剥がれました。ネットに「5年が目安」と書かれている通り、ちょうど購入して5年目に剥がれたようです。まあゴアテックスはソールとは何の関係も無いのですが、私が持っていない靴なので、やっかみ半分。転ばぬ先の杖ではありませんが、古い靴を履いている方は、応急処置用のテーピングは必須です。テーピングは1つあると、イザという時に使えますので。
  • 「登山靴は洗わない!」ということはなく、布製+一部皮革の靴は洗えます。まあ水洗いを勧めているサイトはあまり見かけませんが、雨の中を歩き回るんだったら、水洗いしても構わないのでは? と思います。ただゴアテックスの靴は内側に近い所に張り合わせてあるようなので、内側をあまりゴシゴシ洗わない方が賢明です。ただ、私も、よほど汚れた時、まあ数えるほどしか洗ったことが無い。洗った後は乾きにくいし、面倒くさがりなので… また天日干しすると、なんか縮むような気がする…
  • 雨かっぱも登山靴も、撥水性は大事です。で、ここぞという山に登る前には、特に登山靴には防水スプレーを大量に噴霧していました。どんなにスプレーした所で、完全防水にはなりませんが、ちょっとでも水が染みないように。でも表面にドロ汚れとかあると、防水スプレー効かないからご留意ください。
昔、こんなポスターが貼ってあった

「登山靴についての雑感」

  • 登山以外に、フルマラソンにも何年か挑戦していました。私は鈍足なので、タイムは平均以下ですが、まあ登山と同じで、ゆっくりでもゴールを目指すのを目的として練習していました。
  • ジョギングシューズについては、出来るだけ小さい方が良いようです。「迷ったら小さい方」ではありませんが、フィットする中で、出来るだけ小さい方を選ぶべきとは、ジョギングシューズについて詳しい方のサイトに書かれてあったことなので、詳しい理由は分かりません。ただ経験的に、小さい靴の方が長持ちするようです。
  • 実際に、アシックスのGT2140 25.5cmと25.0cmを続けて履いたことがありますが(25.0cmが型落ちで安くなり、続けて買ったもの)、数百キロ長く使えました。日々、練習で走った概算距離を記録しており、この比較結果です。まあ、買い替え判断は目視の感覚なので曖昧な判断ではありますが、なぜか0.5cm小さい靴の方が長持ちしたのは事実です。まあ“長持ちする靴”=良い靴 との公式は、どこにも書いてないですが…
  • ただ、可能な限り小さい靴=より足にはフィットしているということです。フィット性が高い方が、足への追従性が良い、足との隙間を生みにくくなるので、ランニング中に靴の挙動が抑えられ、ムダな摩擦が生じず、結果、長持ちにつながるような気がします。
  • それはそうと、ジョギングシューズや革靴は、できれば若干小さめを買った方が良いようです。いずれの靴も使用に伴い少し伸びるからです。これにより自分の足にフィットします。特に革靴なんかは、履きなれた靴は足にフィットして手放せない。
  • しかし登山靴については、ほとんど伸びません! なので小さめの靴は、しばらく履いたところで、小さいままなのです。だから、絶対に小さめの靴を買うのは、控えた方が賢明です。現に私は、小さくてどうしても足に合わない靴を1足、手放していますから…