「国見岳(熊本県) 取ったど!」

19.10.20 国見岳山頂

Contents(目次)

「3度目の正直」

  • とうとう、熊本県最高峰、国見岳! 取ったどー! 私個人的には特に感慨深い山なので、登れたのが嬉しくて嬉しくて…
  • 国見岳! ああ国見岳… 遠かった… やっと登山口にたどり着けたのね… ここまで来るのに足掛け十数年… 距離も遠いが、精神的な距離も遠かった…
  • 実は、国見岳に登る計画は3度目なのです! 2度の失敗の後、ようやく3度目の正直? ではありませんが、登頂を果たせた、感慨深いというか、いわくつきの山だったのです。
五勇谷橋の欄干

「過去の苦い思い出」

  • 私は以前、転勤の関係で3年ほど熊本に住んでおり、その時に国見岳に登ろうとしていました。最初は多分、2007年か2008年だったと思います。この時は、前日の夜に車で家を出て、登山口の近くで車中泊で仮眠を取り、早朝に登山口まで向かっていましたが… がけ崩れで行き止まりでした。このため登頂を断念。この時は、内大臣橋から広河原登山口を目指していました。事前に関係官庁に行き止まりの情報を確認していれば、無駄足にならなかったのですが… それまで、行き止まり等の不具合に遭遇したことが無かったので、そういうことも念頭になかったのですが…
  • その翌年、リベンジを果たすべく、再度国見岳へ。この時は同じ過ちを繰り返さないため、確か事前に通行止め情報を確認していたように思います。この時は早朝に車で家を出て、前年と同様、内大臣橋を通り広河原登山口に向かいました。当時はナビも高価だったので私の車には当然取り付けられておらず、事前に調べたネット情報と地図の情報を頼りに、登山口に向かいました。
  • 林道を進み、登山口の近くまで行っていたと思います。明確には覚えていませんが、確か工事か何かの看板がある、少し広くなった所があったので、いったん道のわきに車を止めて、下りて様子を見に行きました。車を止めたには、すぐ横に小屋のようなものがありました。
  • 林道の先に車が進めるか、様子を見に行って車に戻ろうとしたら… 車の周りにスズメバチが大量にたかっていました!!! そうなのです、私が車を止めた脇にあった小屋に、スズメバチの巣があったのです! それに気づかずに車を止めてしまったので、私は恐らく車を止めて、すぐに車を下りたので、ハチの気配に気づかず… その後、ハチが巣の前に置かれた車を敵とみなし、集団で飛び回るハメになり…
  • もう呆然としました! ハチにたかれれている車に近づくこともできず、立ち尽くしていました。ちょうど軽トラに乗った工事関係者と思われる方が二人、私の前を通り過ぎた所で車を止めたので、事情を話し、防護服代わりとなるようなものを持っていないか? 雨がっぱでも良いが貸してくれないか? と聞いてみましたが、あいにく持ち合わせていないとの事でした。一緒にしばらく、ハチに襲われている私の車を見ていましたが、なすすべがなく、お二人は気の毒そうに私を見ながら、工事現場の方に仕事に行かれました。
  • ちょうどそのころ、私の長男が3歳くらいだったと思います。もし子供を車に乗せていたらと思うと、ゾッとしました。想像もしたくない恐ろしい事です。もちろん国見岳という山深い山だったので、子供を連れていくことは無いのですが、その想像がしばらく、頭を離れませんでした、なによりその状況で子供を助けに行けたのかと考えると…
  • なすすべもなく、その場に立ち尽くしていましたが、どれくらいの時間が経ったのか、恐らく2~30分くらいだと思うのですが、スズメバチは車が敵ではないと分かったのか、車の周りを飛び回るハチは数匹になっていました。ハチの巣は、運転席の近くにあり、「もう今しかない」と決して、そーっと車に近付き、あと10m前後の所まで近づいて、ダッシュで車に行き、速攻でトランクを開けて中に乗り込み、すぐにトランクを閉めました(ワゴン車だったので)。運よく窓は閉められていたようで、中にハチは入っていませんでした(数匹に刺されるのは覚悟していましたが…)。いそいで運転席に移動し、エンジンを掛け、一目散にその場を離脱しました。
  • ハチの巣から30mくらい離れた所に一旦車を止めて、ハチが追ってこないことを確認し、とにかく落ち着こうとしばらくじっとしていて、それから帰路につきました。そう、もう完全に国見岳に登ることはあきらめていました。というか、そういう気分ではなく、何より結果的に無事だったこと、ハチの恐ろしさと、居るはずもない子供がそこに居た場合の悪い想像が頭から離れず… 登山どころではなかったのです。
  • この恐ろしい体験と共に、私の二度目の国見岳チャレンジは失敗に終わりました… 以後しばらくスズメバチがトラウマになっていました。車を止めたら、周囲にハチの巣が無いか確認し、窓は必ず閉める。これがルーチンワークになっていました。
きれいな苔?
きれいな苔?

「念願の? 国見岳登頂」

  • 10年以上の年を隔て、三度国見岳へ 今回は過去2回苦い思い出を味わった広河原登山口ではなく、樅木林道―五勇谷橋から登りました。というか、広河原登山口の方はそもそも通行止めで利用不可でしたが…。
  • 下関から御船ICまで高速で2h少々、そこから登山口まで2h弱。やっぱ登山口までたどり着くのが遠いわ! 砂利道でないのがせめてもの救い…
  • 朝3時半に家を出て、登山口手前の道路脇に駐車したのが7時15分頃。他に先着の車が4台居ました。過去2回の断念があったので、もう、ここまでたどり着いたのが嬉しくて嬉しくて…
  • 国見岳登山に関するレポートは、他の分かりやすいサイトを見て頂いた方が良いです。私は新登山口からの往復登山でしたが、このルートは、ほぼ尾根筋を登ります。前半で高度を稼ぐルートなので、前半がきついのですが、高度も上がり、植生が変わってきたら、歩くのも楽しくなります。ルートも山頂からの景色も、非常に良かったです。久住山のようにバリエーションはありませんが、山頂からは他の山々も見えて、久しぶりの九州では高山の部類の山に登り、最高の登山でした。
  • 私は体力的に自信が無かったので、また遠路日帰りだったこともあり、往復登山にしましたが、他の多くの方は、恐らく五勇山の周遊ルートの方に行かれていました。せっかくなら、そうした方が良いです! なぜって、ここまで登りに来るの遠いから、そう何度も来れないので…
  • 登りは2時間半で登りました(休憩1回)。山頂で30分ほど休んで下山。下山中、1度スリップして尻もちをつきました。
杉林の中の急登を上る
急登を上ると、木々の植生が変わる

「国見岳お勧めポイント」

  • 標高高い! 熊本県最高峰! 秘境の中に位置する、奥深い山。
  • 山頂は360度の視界が開ける、絶景です。阿蘇山、雲仙、久住の山並みが見えます。
  • 前半が急登ですが、後半は比較的歩きやすく、楽しく歩けます。木々の景色も良く、私は樹木には全く詳しくないのですが、いろんな木々の植生が見られます。
  • 小鳥のさえずりも多く聞こえます。同行者は双眼鏡持参でしたが、ゴジュウカラを初めてみたと言って喜んでいました。
  • 地面に生えているコケが、きれいです。
  • 朽ちた木にキノコが生えているさまが雰囲気があって良いです。
  • 道にある岩も、青っぽい色だったりして、良い雰囲気を出しています。
  • 車で登山口に向かう途中、ニホンザルが居ました。山頂付近にはシカ除けの柵もありました。サルやシカの生息している自然豊かな山。
少し青っぽい石

「国見岳登山 注意点」

  • やっぱりアクセスに苦労します。カーナビも恐らく行先検索は出来ないと思われ、地図で登山口付近を表示させ、登録する必要があるはずです(ヤフーナビはそうでした)。
  • スマホのナビの場合、登山口までの電波状況が悪い事より、分岐でもナビが喋りませんでした。今回は2名での登山だったので、もう一人が文字通り、ナビゲーターとしてスマホとにらめっこしていたので、分岐でナビゲーターが進路を指示しましたが、一人だと、分岐で立ち止まって確認されたほうが良いです。
  • 最後まで舗装路ですが、途中からガードレールが無くなります。落ち葉も多くコケも生えている道路なので、スリップ注意。
  • 「警笛ならせ」の看板が無いためか、対向車のクラクションが全く鳴りません。私は鳴らしまくりましたが、警笛はきちんと鳴らしましょう。但し、民家の近くは鳴らさない! 当然のマナーです。ライトを点灯し、警笛を正しく鳴らす、事故防止のために必要です。
苔むした木とキノコ
登山口までの道すじにある小学校
民宿もありますので、ゆっくり一泊登山も可能

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