「山に登るため、山歩きのための体力トレーニング考」
- 山に登るための体力、筋力を向上させるために、最も良いトレーニングは、山登りです。まあ、昔から言われていることですが、その通りだと思います。
- 私はフィジカルトレーニングの専門家でも何でもなく、ただのおじさんなので、詳しい解説などは出来ませんが、私が実際に山に登っていて感じるのは、山ならではの身体の使い方が必要な項目が2つあるということ。
- まず1つは、リュックを担いでいて足場の悪いところを歩くため、片足状態でバランスを維持させるための筋力、バランス力です。これが不十分だと、転倒につながります。
- もう1つは、下りの時に、ゆっくりと足を曲げながら着地する動作時の脚の筋力です。通常、脚は、伸ばすときに筋力を発揮する場面が多いのですが(スクワット等の動作もそうです)、特に下山時には、脚を曲げながら筋力を発揮しなければなりません。
- この、山ならではの身体、筋力の使い方を鍛えるには、やはり山に登ることが一番だと思います。私も、30代の始めのころ、最も良く山に登っていた頃は、月に2、3日は登ってました。この頃は、体力、筋力的な不安はあまりありませんでした(ただ、重たい荷物を担げるようにするため、普段から重たい荷物を担ぐようにはしていました。
- ただ現在は、たまに山登りに行く程度となりました。このブログを作り始めて、久しぶりに山登り生活を復活させたくらいなので、結構なブランクがありました。そして、別の投稿に書きましたが、熊本県の国見岳を目指すこととなり、さて体力、筋力的な問題をどうするか? が課題となりました。
- つまり、普段山登りにはなかなか行けず、いきなり本番登山にならざるを得ない場合の日常におけるトレーニングをどうするか?
Contents(目次)
「私自身の今の状態」
- 4,5年前までフルマラソンに挑戦していたのですが、長距離ランニングは腰にかなりの負担を強いることが分かり、長距離ランニングを止めました。⇒ 30代のころよりギックリ腰になるようになり、これまで10回程度のギックリ腰を経験しています。年々、状態がひどくなるようで、直近では全く身体を起こせない状態に陥りました。この時も長距離ランニングで距離を伸ばそうとしていた頃でした。このため長距離ランニングを止めました。つまり、今の私は長距離を走れない状態です。
- 体重が… 30代のころは痩せようと思えば痩せられたのですが、今は何をやっても落ちない… 30代から10kgほど体重が増加しています。垂直移動の山登りにおいては、ウエイトは負荷そのものであり、体力が落ちている上に負担が増えている状態なのね…
- 年齢的に目、肩、腰が… 肩も50肩やら神経痛の診断は受けたことはあります。現状は、肩についてストレッチ等を毎朝やることで、痛みはほとんどありません。ただ、ザックを担ぐことによる影響については、ちょっと心配でしたが…
- 日常は、会社まで往復5kmは徒歩。他、仕事の日は起床後に腹筋、腕立て程度の運動をしていました。
「国見岳に向けてのトレーニング」
- 山登りには基礎的な運動体力が必須にて、これは平たん路を歩く程度では足りません。なので、ランニングをすることにしました。長距離は腰への負担があるので、5kmを週2回走ることにしました。フルマラソン挑戦時には、最多で月間200km近く走ったこともありましたが、週2回5kmのランニングでは月間50kmにも満たないのですが、今はこれが精いっぱい…
- 通勤時はこれまでと変わらず徒歩通勤。帰宅時に週2回ほど走るようにしました。
- 脚力、脚の筋力UPについては、スクワットを取り入れました。ランニングしない日に、週2回ほど、スクワットを実施、最初はヒンズースクワットを100回から、50回ずつ増やしていき、450回まで増やしました。
- スクワットは室内で簡単に出来る筋力トレーニングで効果も高く、良い運動なのですが、回数が増えると時間がかかります。また筋力UPの面では、負荷が少ないような気がしましたので、次に片足でのスクワットを行うようにしました。
- ネットでは、「ブルガリアンスクワット」という片足スクワットの方法が紹介されていましたが、私は脚を前後ではなく左右に開き、片足を台上において、もう片方の脚でスクワットする方法でやりました。こちらの方がバランスが取りやすいからです。
- 片足スクワットは、片足ずつ交互に、50回、40回、30回の3セットで行いました。調子の良いときは回数を少し増やし、脚が疲れているときは回数を減らして行いました。
- 国見岳登頂前2か月は、この方法でのトレーニングを行いました。ただ、さすがに本番までに一度も山登りをしないのは不安だったので、1度、地元の低山に登りました(竜王山 投稿ページに山行記録あり)。
- この体力トレーニングで十分なのか? 少し不安もありましたが、実際には問題無く無事に、国見岳の登頂が出来ました。翌日は太ももに若干の筋肉痛は残りましたが、これは仕方ありません。普段、山に行けない場合でも、このトレーニングを2~3か月前から実施しておけば、とりあえず何とかなるという事が分かりました。
「バーベル等を担いで負荷を掛けて、スクワットする事は、脚力トレーニングにとても有効だと思います。脚を曲げる時に、とにかくゆっくり曲げる(下げる)ことを意識されてみて下さい。
「過去の苦い経験」
- 以前、阿蘇の根子岳に登ったことがあります。この時も、しばらく山登りから遠ざかっていましたが、根子岳の私の登ったルートは、それほどハードなルートではなく、普段はランニングもしていたので、体力的には自信があり、完全に舐めていました。
- 普段のランニングのおかげか、登りは楽勝でした。で、下りで異変が発生、途中からヒザが笑い出し、太ももの筋肉が悲鳴を上げてしまったのです。そう、ランニングでは、下りに必要な筋肉が鍛えられていなかったため、もう脚ガクガクの状態で何とか駐車場までたどり着きましたが… 体力はあったので身体は元気なのですが、下半身が言うことを聞かず、アクセル、ブレーキ操作もまともに出来そうになかったので、1時間ほど休んでから、何とか車を運転して帰った記憶があります。
- 体力が不十分で、もうバテバテになりながら下山したこともありますが、体力があっても、必要な脚筋力が備わっていないと、こんなことになるんだと、思い知らされた経験でした。この経験があり、下山時の脚の使い方に有効な筋トレの重要性を意識するようになりました。
「私の考える山登りのためのトレーニング」
「片足スクワットです。ダンベルで負荷を掛けるより、ゆっくり身体を下ろすことを意識して下さい。片足ずつ3セット、回数を決めてトレーニングされることをお勧めします。」
- 基礎体力、心肺能力を上げるためのトレーニング+必要な筋肉を動かすためのトレーニングの両面のトレーニングが必要です。
- 基礎体力、心肺能力を上げるトレーニングとしては、ジョギング、縄跳び等が手軽に出来て良いと思います(私は縄跳びは苦手ですが…)。水泳や自転車(エアロバイク)も良いかと思います。大事なことは、ある程度心拍数を上げた状態を、30分以上維持する必要があることですね。
- もう時間が無いときは、スクワットをひたすらやるというのも有りだと思います。この場合も、できるだけ長時間、多くの回数をこなす様にしましょう。
- 脚筋力UPは、やはりスクワットですね。両足でも片足でも良いのですが、方法が大事です。その方法は、「とにかくゆっくりと身体を下ろす」こと。大事なのは下山時の下りの脚の使い方、負荷を掛けながら脚を曲げる事を意識して、ゆっくりと身体を下ろす事が大事なのです。
- スクワットは、どうしても単調なトレーニングなので、早く終わらせたいという気持ちがあり、意識しないと、どんどんペースが速くなってしまいます。なので、時間当たりの回数を意識し、ゆっくりと身体を下ろすことを意識して下さい。
- 片足スクワットの場合は、負荷が片足に掛かるので、身体を下ろす(脚を曲げる)速度は必然的にゆっくりになる傾向はありますが、それでも、ゆっくりを意識することが大事です。
- どのトレーニングも、負荷(回数や距離)は、自分の今の体力に合わせ、続けられる負荷にします。そして少しずつ負荷を増やしていくことが大事だと思います。あと、続けるためには、毎日しない。週単位で2日はトレーニングしない日を作りましょう。これが長続きするコツだと思います。
- 独身の頃には、脚筋力UP用に、「ステッパー」と呼ばれる、脚を交互に踏みこむフィットネスマシンを使っていました。当時住んでいた独身寮の粗大ごみにあったのを拾って使っていたのですが、これも結構お勧めです。ただ、私の使っていたステッパーは油圧シリンダー式の負荷でしたが、安物だったのか、油の温度が上がると粘度が下がるためか、負荷が下がり気味になり、踏み応えが軽くなっていました。ステッパーは比較的価格も安いので、トレーニングマシンとしては有りだとは思います。